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ありがとうの日

kokoemoonのある一日をつづっています。

2009/08/08

講演会メモ④

こんにちは。●病院のPSWのkokoemoonと申します。私はここ●病院で働かせていただくようになって、2年弱です。
つたない講演ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

本日は、まず、●病院の簡単な紹介と、2番目に座談会の様子、最後に看護師からみた座談会の意義や退院促進への影響などをお話ししたいと思います。20分ぐらいの講演と最後10分ほどの質疑応答の時間をもうけさせていただきます。

最初に結論から言ってしまいますね。●病院で座談会を行なうようになって、病棟全体の「退院の気運があがったことが良かったこと」だと思います。

それでは先ほど述べた順番で講演をはじめさせていただきますね。

初めに、●病院を簡単に紹介させていただきます。はい、ここで、みなさん目を閉じていただけませんか?これは寝てくださいね。ということではありません。●病院をイメージしてください。あなたは、今、●病院にいます。あなたは今ナースステーションで看護計画をたてています。その最中に認知症の方が「すみませーん。バックがとられてしまったんです。」その後から統合失調症の方が「私帰りたいんです。私はここにつれてこられました」また、今日は入浴日です。車椅子介助の方がたくさんいらっしゃいます。そんな最中にナースステーションの外では、認知症の患者様がトイレの場所がわからず、廊下で失禁されています。ごく一部の紹介しかできませんが、日々一見同じ内容の仕事や訴えが繰り返されます。ご高齢者が多いため、救急や他の診療科への受診も多いのが現状です。はい、ここで目を空けてくださいね。一眠りできましたでしょうか。もちろんこれは冗談ですが、これが、●病院のほんのわずかをきりとった一面です。お気づきになられたかもしれませんが、当院の看護師が、認知症の方の介護や看護に追われていることをお感じいただければと思います。
●病院は、120床の全閉鎖病棟です。統合失調症などの方とあわせ、認知症状がある方が7割を超えた、平均××歳の方が療養されている精神科単科の療養型の病院です。レジュメのグラフでもお分かりのように、男女比は○○で、在院日数が○○と、非常に長いのが現状です。この在院日数も合併症で一時期退院し、転院されていた方も退院とみなされていますので、実情は、もっと、一患者様の長期入院者がもっと多いのが現状の病院です。

また、●市の中でも、●病院は、駅からも遠く、●県境でも●市の境目にも位置し、行政の支援が一本化できにくい現状にあります。また、●区や●区など●線の沿線の方や、急性期の治療を終え、長期でもうけいれてもらえる病院としての機能を果たすべく、はるばる県外や東京都心部からの入院者もおおいのが現状です。●市は、生活保護者が多く、一般病院も多いベッドタウンとしても知られて居ます。また、退院後使える資源としての特徴としては、生活訓練を必要な方向きの資源が遠方にあり、使いにくい現状があります。
●病院の様子が少しはイメージできたでしょうか。。。

さて、2番目の座談会の様子に入りたいと思います。
このような現状の病院で、私たちは、院内プログラム座談会をはじめることになりました。
座談会の様子はこんな感じです。16.7名程度の患者に声をかけ、集まっていただき、ちょうどこのぐらいの規模でしょうか(会場をつかう)座布団にすわっていただきます。司会が「さあ、これからウサギさんと、亀さんに、「退院にむけて病院で準備すること」についてお話いただきます。:::パチパチパチパチ:::と声をかけます。座談会講演者は、10分で、自分の体験などをおちついて、時には少々興奮しながら話されます。10分すぎると「はい、貴重なお話をいただきました。何か質問はありませんか?」と司会をすすめると、最初はぱらぱらと、だんだん話しが深くなるにつれ質問の手がどんどん挙がります・・・・こんな感じで一時間強の時間はあっという間に過ぎていきます。
さて、今回報告させていただく院内プログラム「座談会」ですが、実は最初はひょんなことから偶然始まったものが今の形になっています。この病院に私が勤務して、この病院は、退院という気運に乏しいなと感じていました。たまたま、地域生活支援センターさんがお引越しの時、オープンスペースが休業になっているのをしって、そのうちの一人でも●病院にきていただき、地域での暮らしを話してもらえれば嬉しいな。という私の独断上で、支援センターさんに座談会のイメージを提案しました。そして、講演者には対価をお支払いすることにこだわったのも私の独断です。これをなんとも快く引き受けてくださり、第1回目を無事おえることができました。参加者も13名と多く思ったよりも患者さまからの反応も「よかったよ。はなしだけきけて勉強になった。ありがとね。」など漠然としていましたが、よい反響でした。これを1回で終わらすのはもったいないと、第2回目からは、病院側は作業療法士にも声をかけ、支援センターからは●市の退院促進支援事業の一環として位置付けで、この企画を継続することになりました。テーマは別紙の通りの推移です。第1回目は「地域でくらせてよかったことを聞いてみよう」第2回目は「薬を飲みながらアパートやグループホームで暮らすこと」第3回目は「地域で暮らしている人の日中の過ごし方」第4回目は「退院するまでの準備について聞いてみよう」としました。第5回は9月に「こういう困り事のときはどうしたらよいんだろう」といった内容の座談会を行なう予定で居ます。

さて、推移をみてお気づきいただけたでしょうか。逆に患者さまから、視点を当てると、最初は、「退院」という言葉を聞いただけでも、「自分とは関係ない」「追い出されるといった不安」「私はここにいます」と断言する方などが多く、「退院」という言葉をどう置き換えたら良いか思案し、あえて、「退院」という言葉を出さないでこの講演会を行なってきました。
しかし、徐々にアンケートや病院の意識調査の中から、「条件がそろったら」「家族が賛成してくれれば」退院したいなどの言葉がきかれるようになり、前回からは、退院という文字や退院促進支援事業の文字もだしても、20名近くの参加者がいるプログラムとして成長しました。座談会で、講演者の話す時間は10分とし、質疑応答を長くとっていますが、「洗濯機をどこにおいたらいいのか。」「再入院したらアパートの荷物は捨てられてしまうのか、」「携帯電話は使えるのか。」「グループホームは使えるのか」「病院は感情面や心の奥底を支えてくれる人がいなく、今日の話はとても心に届いた」、などと多くの意見をいただいております。会の終了後、アンケートとお茶をおだしし、会を終了しております。

さて、ここからが今までの体験からの結論ですが、今日、ここに集まってくださっている方の多くが、看護師の方と伺って居ます。
座談会は、朝の申し送りの時に病棟看護長が、「今日は座談会があります。印のついている方、参加してください。」といってくださいます。
そんな工夫と配慮があって、座談会はなりたっています。
病院もこの座談会を通じて、患者さんや看護師のみならず、他職種の方が「退院」という言葉を意識してつかったり、退院にむけて、患者さまに何が提供できるだろう考える意欲を話してくださったりと、高齢化がすすみ、日々追われる介護などのケアや精神症状にたいする看護だけでなく、長期入院者の退院のながれを頭の隅においてもらうことができるようになった感があります。病院に退院の気運が少しずつですが改めてめばえはじめているといったところです。また、私が個人的に「看護師さんはすごい」と感じたところは、座談会に直接参加出来なかった看護師がいても、一人参加していただくだけで、この座談会の内容や患者さまの反応がすぐに看護師全体につたわることです。これは、決して、看護師さんは良くしゃべるといっているわけではありません。同職種のつながりが非常に強く、これがまた、各々の退院の意識へつながることになります。
当院では、まだ、退院促進支援事業による退院者は一人も出てません。はじめに目を閉じて聞いていただいた病院の現状ももちろん差し引かねばなりませんが、この一年間でつちかった座談会が、グループも成長し、個別の退院支援にどのように深めていくかが、課題でもあり、楽しみなところでもあります。

最後に
療養型の病院も地域の中にあり、退院支援をしていくのが自然な流れになる力を備えられれば幸いだと思います。

これで、看護師の方へむけての当病院のとりくみについての報告をおわらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

by kokoemoon

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